仲間がいれば充分だろう?
3月 14, 2019
その昔、ここはじいちゃんやばあちゃんの遊び場でした。ちょっと前まではボクたちのたまり場。そして今は、子どもたちの笑い声がこだまする、ふるさとの風景になりました。冷たい流れから、よじ登った岩のぬくもり。透ける水底で弾ける光。深みにうずくまって、重く唸る沫の音。水面と梢の間で、甲高く行き交うセミの声。ここに集まるみんなが、五感のすべてを精一杯に躍動させて、降りそそぐ一瞬を思い出の籠に受け止めていました。
あの頃、隣にいたのは友だちや兄や姉、魚や夏の虫たち。忘れてしまったけれど、ひょっとしたらカッパもいたかもしれません。どこへ目を向けても、喧噪を意識させるものは何もありません。ただ解き放たれた時の流れがあるばかり。「仲間さえいれば、それで十分だ!」と思える場所が、この町にはあちらこちらたくさんあります。
No Comments